過失割合
センター南 横浜都筑法律事務所

過失割合

右折バイクと交差直進車の過失割合(一時停止規制)

一時停止規制のある交差点

右折バイクと交差道路の直進車


右折するバイクと、交差道路を直進する車(四輪車)との事故が、一方に一時停止規制のある信号機のない交差点で起きた場合について、過失割合の認定基準をご案内します。

一時停止規制がバイクにある場合と、車にある場合で異なり、一時停止規制のある側が一時停止すれば過失割合が修正されます。

一時停止規制がバイクにある場合


一時停止規制のある右折バイクと、交差道路の直進車との事故の基本過失割合は、バイク65・車35とされています。

       
   
   
   
右折
  バイク 停止線  
       

  バイク
走行態様 右折 直進
一時停止規制の有無
基本過失割合 65 35



バイクが徐行なし +10  
バイクが右折禁止違反 +5  
〈車が右方の場合〉
バイクが早回り右折
+10  
バイクに他の
 著しい過失・重過失
+10  
バイクが一時停止 -10  
車が減速せず   -10  
〈車が左方の場合〉
バイクが既右折
-10  
 車が15㎞以上の
   速度違反
-10  
 車が30㎞以上の
   速度違反
-20  
 車に他の
 著しい過失・重過失
-10
~20
 

一時停止規制が車にある場合


右折バイクと、一時停止規制のある交差道路の直進車との事故の過失割合認定基準は、①バイクが車の右方で右折のときと、②バイクが車の左方で右折のときに分類されます。

①バイクが車の右方で右折のとき

バイクが、一時停止規制のある直進車の右方で右折のとき、基本過失割合は、バイク35・車65とされています。

       
       
    右折 バイク
   
  停止線  
       

  バイク
走行態様 右方で
右折
直進
一時停止規制の有無
基本過失割合 35 65





*は修正要素としない
バイクが徐行なし +10  
バイクが右折禁止違反 +10  
早回り右折  
バイクに他の
 著しい過失・重過失
+10  
車が一時停止   +15  
車が減速せず   -10  
バイクが既右折 -10  
 車が15㎞以上の
   速度違反
-10  
 車が30㎞以上の
   速度違反
-20  
 車に他の
 著しい過失・重過失
-10
~20
 

②バイクが車の左方で右折のとき

バイクが、一時停止規制のある直進車の左方で右折のとき、基本過失割合は、バイク25・車75とされています。

       
バイク      
右折    
       
 
  停止線  
       

  バイク
走行態様 左方で
右折
直進
一時停止規制の有無
基本過失割合 25 75





*は修正要素としない
バイクが徐行なし +10  
バイクが右折禁止違反 +10  
バイクが早回り右折 +10  
バイクに他の
 著しい過失・重過失
+10  
車が一時停止   +10  
車が減速せず   -5  
既右折  
 車に15㎞以上の
   速度違反
-10  
 車に30㎞以上の
   速度違反
-20  
 車に他の
 著しい過失・重過失
-5
~10
 

過失割合の修正要素(補足)


上記の認定基準における修正要素について補足します(上記の表で「*」は修正要素としません)。

徐行なし

徐行とは、車両が直ちに停止することができるような速度で進行することです(道路交通法2条1項20号)。右左折車については、右左折車としての通常の速度を意味し、必ずしも法律上要求される徐行(同法34条1項・2項・2条1項20号)でなくてもよいとされています。

右折禁止違反

道路標識等により禁止されている右折をすることです。

早回り右折

交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を進行しない右折をいいます(道路交通法34条2項)。

一時停止

一時停止規制のある側が一時停止をしたけれど、左右の安全確認が不十分だった場合とされています。

既右折

直進車が交差点に進入する時点で、右折車が右折を完了していること又はそれに近い状態にあることをいいます。



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このページの著者

 弁護士 滝井聡
  神奈川県弁護士会所属
    (登録番号32182)