過失割合
センター南 横浜都筑法律事務所

過失割合

右折バイクと交差直進車の過失割合②優先道路

優先道路の交差点

右折バイクと交差道路の直進車


右折するバイクと、交差道路を直進する車(四輪車)との事故が、一方が優先道路で信号機のない交差点で起きた場合について、過失割合の認定基準をご案内します。

基本過失割合と状況による修正要素があり、バイクが優先道路から非優先道路へ右折の場合、過失割合は右折の方向によって変わります。

バイクが非優先道路から右折の場合


非優先道路から右折するバイクと、優先道路を直進する車との事故の基本過失割合は、バイク70・車30とされています。

       
     
     
     
    右折 バイク
   
     
       

  バイク
走行態様 右折 直進
優先側   優先
基本過失割合 70 30



バイクが徐行なし +10  
バイクが右折禁止違反 +10  
〈車が右方の場合〉
バイクが早回り右折
+10  
バイクに他の
 著しい過失・重過失
+10  
〈車が右方の場合〉
バイクが明らかな先入
-10  
〈車が左方の場合〉
バイクが既右折
-10  
 車が15㎞以上の
   速度違反
-10  
 車が30㎞以上の
   速度違反
-20  
 車に他の
 著しい過失・重過失
-10
~20
 

バイクが優先道路から右折の場合


優先道路から右折するバイクと、非優先道路を直進する車との事故の過失割合認定基準は、バイクが①車の来た非優先道路へ右折のときと、②車の向かう非優先道路へ右折のときに分類されます。

①車の来た非優先道路へ右折のとき

バイクが、車の来た非優先道路へ右折のとき、基本過失割合は、バイク20・車80とされています。

           
           
           
         
    右折
     
  バイク      
           

  バイク
走行態様 右折 直進
優先側 優先   
基本過失割合 20 80





*は修正要素としない
バイクが徐行なし +10  
バイクが右折禁止違反 +10  
バイクが早回り右折 +10  
バイクに他の
 著しい過失・重過失
+10  
車が減速せず   -20  
既右折  
 車が15㎞以上の
   速度違反
-10  
 車が30㎞以上の
   速度違反
-20  
 車に他の
 著しい過失・重過失
-10
~20
 

②車の向かう非優先道路へ右折のとき

バイクが、車の向かう非優先道路へ右折のとき、基本過失割合は、バイク30・車70とされています。

           
           
       
       
    右折    
     
  バイク      
           

  バイク
走行態様 右折 直進
優先側 優先   
基本過失割合 30 70





*は修正要素としない
バイクが徐行なし +10  
バイクが右折禁止違反 +10  
早回り右折  
バイクに他の
 著しい過失・重過失
+10  
車が減速せず   -10  
バイクが既右折 -10  
 車が15㎞以上の
   速度違反
-10  
 車が30㎞以上の
   速度違反
-20  
 車に他の
 著しい過失・重過失
-10
~20
 

過失割合の修正要素(補足)


上記の認定基準における修正要素について補足します(上記の表で「*」は修正要素としません)。

徐行なし

徐行とは、車両が直ちに停止することができるような速度で進行することです(道路交通法2条1項20号)。右左折車については、右左折車としての通常の速度を意味し、必ずしも法律上要求される徐行(同法34条1項・2項・2条1項20号)でなくてもよいとされています。

右折禁止違反

道路標識等により禁止されている右折をすることです。

早回り右折

交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を進行しない右折をいいます(道路交通法34条2項)。

明らかな先入

通常、衝突地点、衝突部位等により明らかとなるが、双方の速度差に留意して総合的に判断する必要があるとされています。

既右折

直進車が交差点に進入する時点で、右折車が右折を完了していること又はそれに近い状態にあることをいいます。



このページの著者弁護士滝井聡の顔写真
このページの著者

 弁護士 滝井聡
  神奈川県弁護士会所属
    (登録番号32182)