後遺障害慰謝料の弁護士基準と自賠責基準
後遺障害慰謝料について、自賠責基準は最低限の保障であり、任意保険基準は、おおむね弁護士基準と自賠責基準の間の金額に設定されていて、弁護士基準が最も高額になるのが通常です。
このため、後遺障害慰謝料は弁護士基準を用いるべきです。
弁護士基準と自賠責基準を比較
後遺障害慰謝料について、弁護士基準と自賠責基準を比較すると、以下の表のとおりです。
後遺障害 の等級 |
弁護士基準の 後遺障害慰謝料 単位:万円 |
自賠責基準の 後遺障害慰謝料 単位:万円 |
1級 | 2,800 | 1,150 |
2級 | 2,370 | 998 |
3級 | 1,990 | 861 |
4級 | 1,670 | 737 |
5級 | 1,400 | 618 |
6級 | 1,180 | 512 |
7級 | 1,000 | 419 |
8級 | 830 | 331 |
9級 | 690 | 249 |
10級 | 550 | 190 |
11級 | 420 | 136 |
12級 | 290 | 94 |
13級 | 180 | 57 |
14級 | 110 | 32 |
- 弁護士基準の後遺障害慰謝料は、日弁連交通事故相談センター東京支部がいわゆる「赤い本」で設定している額です。
- 弁護士基準では、1級、2級等の重度の後遺障害の場合は近親者の慰謝料も認められ、また、後遺障害等級別表第1の2級の後遺障害と同別表第2の後遺障害があった場合は併合による等級の繰り上げをして慰謝料を算定するとされています。
- 自賠責基準は、介護を要する後遺障害(後遺障害等級別表第1)の慰謝料については1級が1650万円、2級が1203万円となります。
自賠責は最低限の保障
交通事故について自賠責保険は、自動車やバイクによる人身事故の被害者に最低限の損害賠償を保障する制度です。
最低限の保障ですから、後遺障害慰謝料についても、上の表のとおり弁護士基準よりも低額に設定されています。
なお、損害額が自賠責保険の限度額以下で過失割合がある場合は計算が異なり、過失割合ページ下段に「自賠責は過失7割未満なら全額」という見出しで記載しています。
任意保険基準について
任意保険基準とは、保険会社それぞれが独自に設けている基準です。
後遺障害慰謝料について、おおむね弁護士基準と自賠責基準の間の金額に設定されていて、弁護士基準よりも低額になります。
(任意保険については自賠責基準よりも低額になっている設定を見かけることもあります)
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