交通事故の消極損害
消極損害とは
交通事故の人身被害によって生じる収入の損害を、「消極損害」といいます。
怪我をした場合の消極損害は、休業損害と後遺障害逸失利益であり、死亡事故の消極損害は、死亡逸失利益です。
事故がなければ取得するはずだった「得べかりし利益」の損害が消極損害であり、治療費や通院交通費など「積極損害」との対概念になります。
怪我をした場合の消極損害
交通事故で怪我をした場合、症状固定までの間の収入が失われる消極損害が、休業損害です。
症状固定後の収入が失われる消極損害は、後遺障害等級が認定された場合に、後遺障害逸失利益として発生します。
なお、上記の症状固定とは、これ以上治療を続けても症状が変らない状態になることです(詳しくは交通事故の症状固定ページでご説明します)。
〈関連ページ〉
死亡事故の消極損害
死亡事故でお亡くなりになった方の収入が失われる消極損害は、死亡逸失利益であり、ご遺族(相続人)から加害者へ賠償請求することになります。
消極損害は財産的損害の一部
財産的損害
積極損害
・・・治療費、通院交通費など
消極損害
・・・休業損害、逸失利益
精神的損害(慰謝料で賠償)
このように、交通事故の損害は財産的損害と精神的損害に大別され、消極損害は、そのうち財産的損害の一部ということになります。
このページの著者
弁護士 滝井聡
神奈川県弁護士会所属
(登録番号32182)