死亡事故の示談交渉
死亡事故の示談は刑事裁判の終了後に
死亡事故の示談については、刑事裁判が終了した後にすることを当事務所では推奨しています。
損害賠償の内容として逸失利益や慰謝料はお亡くなりになったとき発生し、葬儀関係費用は四十九日の法要で確定していて、加害者が任意保険に加入していれば四十九日を過ぎたころから保険会社が示談の申入れをしてくるのが一般的です。
しかし、刑事裁判の確定記録は、慰謝料や、過失割合で争われたときなどの資料として活用できることが多く、示談は刑事裁判が終了してからにすることをおすすめします。
これらを含め、死亡事故のご遺族の方は、まずは弁護士にご相談なさってください。
死亡事故の損害賠償項目
死亡事故の主な損害賠償項目は以下のとおりです(ただし、ここに列挙するものだけとは限りません)。
死亡慰謝料
- 亡くなられた被害者ご本人の慰謝料請求権をご遺族(相続人)が相続し、近親者にも固有の慰謝料請求権が発生します。
- 具体的には、「死亡事故の慰謝料」ページでご説明しています。
葬儀関係費用
- お通夜、葬儀などのほか四十九日法要までの費用が損害賠償の対象とされ、弁護士基準では原則として150万円になります。
治療関係費用
- 治療を受けた後でお亡くなりになった場合、治療関係費用の損害賠償が発生します。
刑事手続中は示談できる段階ではない
加害者が任意保険に加入していれば、四十九日を過ぎたころから、保険会社がご遺族(相続人)へ示談の申入れをしてくるのが一般的です。
しかし、そのころは、まだ刑事手続の進行中であり、警察や検察による取調べ等の捜査を経て、加害者が刑事裁判の被告人として起訴されるのが通常です。
ご遺族としては、ここで示談して加害者の量刑に影響するのを懸念する思いがあり、示談で決着できるほどに気持ちの整理がついていないことが多く、刑事裁判の被害者参加制度で意見陳述などができる機会もあります。
そのような刑事手続中は、また示談で決着できる段階ではないと思います。
死亡事故の示談は刑事裁判の終了後に
刑事裁判が終了すると、その記録が、示談交渉や訴訟で使用するものとして了承された体裁で検察庁から開示されます(一部黒塗りはあります)。
その内容として、起訴状、判決または略式命令、実況見分調書、各種の捜査報告書、加害者の供述調書や、目撃者がいればその供述調書などあり、慰謝料などに関する資料や、過失割合で争われたときの資料として活用できることが多くあります。
それらを踏まえた交渉によって、示談はせずに民事訴訟に踏み切ることもあります。
このため、死亡事故の示談は、刑事裁判が終了してからにすることをおすすめします。
死亡事故の示談交渉は弁護士基準で
交通事故の損害賠償には、弁護士基準、自賠責基準、任意保険基準と呼ばれる3つの基準があり、過去の裁判例に照らし弁護士基準が適正であって、ほか2つの基準の賠償額は原則的に低額になっています。
死亡事故においても、保険会社の示談提示は弁護士基準に比べ低額になっていて、特に逸失利益と慰謝料について弁護士基準との間に大きな違いのあることがよく見受けられます。
このため、保険会社からの示談提示に対しては、精査したうえで、弁護士基準で示談交渉をすべきです。
弁護士にご依頼を
弁護士基準より低額な保険会社から提示に対し、ご遺族としては増額の交渉をしていくことになり、そのために個々の損害賠償項目ごとの検討を要することになります。
また、事故の態様によっては、過失割合を保険会社が主張してくることがあり、その場合、提示額の総額が過失相殺されています。
それらの交渉は、決裂すれば裁判になるという想定で、法律や判例に加え、保険会社や裁判所の考え方など、様々な知識と経験が必要になり、経験豊富な弁護士にご依頼なさることをおすすめします。
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このページの著者
弁護士 滝井聡
神奈川県弁護士会所属
(登録番号32182)
