過失割合の比較
バイクや自転車を四輪車と比較
交差点事故の基本過失割合について
バイクや自転車が四輪車と衝突した事故の過失割合は、四輪車同士の事故と比較すると、どう違うのか。
信号機のない交差点における、①対向同士の右折と直進、②一時停止規制あり出合い頭(直進と直進)、③優先道路の出合い頭(直進と直進)それぞれの事故について、基本過失割合の比較をご紹介します。
基本過失割合は、四輪→バイク→自転車と段階的に軽くなるのが原則ですが、一方が優先道路の交差点で優先側のときは、四輪・バイク・自転車とも同じ10%です。
過失割合を考える際の参考になさっていただければと思います。
比較①対向同士の右折と直進
対向同士の右折と直進の事故について比較すると、右折側、直進側とも、四輪→バイク→自転車と段階的に基本過失割合が軽くなります。
そのうち、右折自転車については、直進四輪車との間で50:50となります。
バイクや自転車が右折のとき
右折四輪車:直進四輪車=80:20
と右折側を比較すると、
右折バイク:直進四輪車=70:30
右折自転車:直進四輪車=50:50
と、軽くなります。
バイクや自転車が直進のとき
直進四輪車:右折四輪車=20:80
と直進側を比較すると、
直進バイク:右折四輪車=15:85
直進自転車:右折四輪車=10:90
と、軽くなります。
比較②一時停止規制あり出合い頭
(直進と直進)
一時停止規制のある交差点における出合い頭事故について比較すると、一時停止違反の側と、一時停止規制がない側とも、四輪→バイク→自転車と段階的に基本過失割合が軽くなります。
そのうち、一時停止違反の自転車と、一時停止規制のない四輪車との事故では、自転車の方が軽くなります。
バイクや自転車が一時停止違反のとき
違反四輪車:規制ない四輪車=80:20
と違反側を比較すると、
違反バイク:規制ない四輪車=65:35
違反自転車:規制ない四輪車=40:60
と、軽くなります。
バイクや自転車に一時停止規制ないとき
規制ない四輪車:違反四輪車=20:80
と規制ない側を比較すると、
規制ないバイク:違反四輪車=15:85
規制ない自転車:違反四輪車=10:90
と、軽くなります。
比較③優先道路の出合い頭
(直進と直進)
一方が優先道路の交差点における出合い頭事故について比較すると、非優先側は四輪→バイク→自転車と段階的に基本過失割合が軽くなります。
しかし、優先側では、四輪・バイク・自転車とも同じ10%になります。
バイクや自転車が非優先のとき
非優先四輪車:優先四輪車=90:10
と非優先側を比較すると、
非優先バイク:優先四輪車=70:30
非優先自転車:優先四輪車=50:50
と、軽くなります。
バイクや自転車が優先のとき
優先四輪車:非優先四輪車=10:90
と優先側を比較すると、
優先バイク:非優先四輪車=10:90
優先自転車:非優先四輪車=10:90
と、同じです。
このページの著者
弁護士 滝井聡
神奈川県弁護士会所属
(登録番号32182)