裁判

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センター南 横浜都筑法律事務所

交通事故裁判の和解案

和解案が裁判所から提示されたら


裁判では、一定の手続が進行した段階で、裁判所が和解案を提示するということが多く行われています。

和解は、裁判所で和解協議という話し合いをして合意をする解決方法です。

裁判所と表示された裁判所入口の看板
その和解案が裁判所から提示されたら、当事者は、和解案に示された 個々の賠償項目ごとの金額、過失割合、それぞれの理由や、賠償金総額などを検討して、受け入れるかどうかの判断をすることになります。
裁判所と表示された裁判所入口の看板

その和解案が裁判所から提示されたら、当事者は、和解案に示された個々の賠償項目ごとの金額、過失割合、それぞれの理由や、賠償金総額などを検討して、受け入れるかどうかの判断をすることになります。

その過程で、状況によって、当事者と裁判官との協議や、当事者同士の協議が行われることもあります。

和解案を受け入れるメリット


裁判は、和解が成立すれば判決まで進まずに終了となり、和解協議が決裂すると、裁判官による判決を受けることになります。

そこで、裁判所から和解案が提示されると、当事者それぞれ、和解案を受け入れるメリットとして以下のようなことを念頭に置きながら検討することになります。


判決のリスクを回避


裁判所からの和解案が、裁判にする前の示談交渉の段階で加害者側が上限としていた額より高額なら、被害者としては一定程度の達成をしたと感じられることが多いです。

加害者側の保険会社も、裁判所からの和解案であれば認めやすい傾向にあります。

和解案を受け入れず判決まで行った場合、理屈のうえでは、その和解案より不利になるリスクは被害者・加害者ともあり得ます。

裁判所からの和解案は、判決で不利になるリスクを回避できる、穏当な落としどころと見られるのが一般的です。


期間・費用・労力の追加負担を回避


和解案を受け入れて和解すれば、和解せず判決まで進んだ場合に追加される期間・費用・労力の負担を回避できるメリットがあります。

判決となると、一方または双方が控訴できるので、さらに解決までの負担が増大する可能性があり、和解すればその回避にもなります。

それら和解のメリットは、被害者・加害者とも共通です。


交通事故裁判は和解が多い


もちろん、被害者・加害者とも争って譲らず、あくまで和解せず判決を求めることはあります。

しかし、比較的には、以上で述べたようなことから、裁判所からの和解案は受入れられやすい傾向にあるといえます。

交通事故の裁判では、判決まで進めずに、和解で終えるということが多いのが実際です。

和解は確定判決と同一の効力


裁判での和解は、確定判決と同一の効力をもちます。

法律の規定としては、以下のとおり、裁判所が和解内容を記載した和解調書に確定判決と同一の効力があるとされています。

民事訴訟法267条(和解調書等の効力)
「和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載したときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。」

確定判決と同一の効力ということは、和解でお金を支払うこととされた側が和解どおりに支払わなかった場合、支払を受けるべき側が強制執行をする根拠になるということです。


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このページの著者

 弁護士 滝井聡
  神奈川県弁護士会所属
    (登録番号32182)