自転車と車・優先道路の過失割合
すなわち、優先道路の自転車も100%優先というわけではありせん。
他方、車が優先道路を直進し、交差する道路から自転車が直進してきて交差点で衝突した事故の過失割合は、双方とも50%が基本とされています。
(以下、目次や見出し等の数値は自転車・車の順になります)
自転車が優先道路なら10対90が基本
自転車が優先道路の場合について、過失割合の認定基準を掲載します。
自転車も車両の一種で(道路交通法2条1項8号・11号)、優先道路を走行していても、交差道路の車両に注意し、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない注意義務があり(同法36条4項)、自転車10、車90が基本過失割合とされています。
| 優先道路 | |||
| 自転車 | |||
| ↓ | |||
| ← | 車 | ||
| ↑ | |||
| 自転車 | |||
| 自転車 | 車 | ||
| 優先側 | 優先 | ||
| 基本過失割合 | 10 | 90 | |
| 修 正 要 素 *は修正しない |
夜間 | * | |
| 自転車が右側通行・ 左方から進入 |
+5 | ||
| 自転車に著しい過失 | +10 | ||
| 自転車に重過失 | +15 | ||
| 自転車が児童等 ・高齢者 |
-10 | ||
| 自転車が自転車横断帯 | -5 | ||
| 自転車が横断歩道 | * | ||
| 車に著しい過失 | -5 | ||
| 車に重過失 | -10 |
||
車が優先道路なら50対50が基本
車が優先道路の場合について、過失割合の認定基準を掲載します。自転車50、車50が基本過失割合とされています。
| 優先道路 | |||
| 車 | |||
| ↓ | |||
| ← | 自転車 | ||
| ↑ | |||
| 車 | |||
| 自転車 | 車 | ||
| 優先側 | 優先 | ||
| 基本過失割合 | 50 | 50 | |
| 修 正 要 素 |
夜間 | +5 | |
| 自転車が右側通行・ 左方から進入 |
+5 | ||
| 自転車に著しい過失 | +10 | ||
| 自転車に重過失 | +15 | ||
| 自転車が児童等 ・高齢者 |
-10 | ||
| 自転車が自転車横断帯 | -10 | ||
| 自転車が横断歩道 | -5 | ||
| 車に著しい過失 | -10 | ||
| 車に重過失 | -20 |
||
自転車と優先道路の修正要素
上記の認定基準における修正要素について補足します(上記の表で「*」は修正要素としません)。
夜間
日没時から日出時までの時間をいいます。
車が無灯火の場合や、自転車から車の前照灯の照射が認識できない形状の交差点の場合は自転車の加算要素にならず、車が無灯火の場合は自転車の減算要素になるとされています。
自転車右側通行・左方から進入
見通しがきく交差点や、自転車が自転車横断帯を通行している場合は、この修正は行わないとされています。
児童等・高齢者
児童等はおおむね13歳未満、高齢者はおおむね65歳以上をいいます。
自転車横断帯
自転車が自転車横断帯を通行している場合のほか、自転車横断帯に隣接して設けられている横断歩道を通行している場合や、それ以外の自転車横断帯と同視しうる場所を通行している場合も含むとされています。
横断歩道
自転車が、自転車横断帯に隣接していない横断歩道を通行している場合が想定されています。
優先道路とは
優先道路について、道路交通法36条2項の丸カッコ内に、「道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう」と規定されています。
実際には、以下のような場合に優先道路となります。
- 「優先道路」の標識がある道路。
- 「前方優先道路」の標識や道路標示がある道路と交差する道路。
- センターラインや車両通行帯が交差点の中まで連続して(貫通して)設けられている道路。
自転車の特徴(速度など)
自転車は、通常の速度が車やバイクよりも遅く、また、免許不要で児童等も運転するなどの特徴があり、それらが車との過失割合認定基準に影響しています。
速度に関しては、自転車が普通の速度(時速15㎞程度)を大幅に超える場合(時速30㎞程度が目安)は「バイクと車」の過失割合認定基準を参考にして検討し、他方、低速の自転車(おおむね時速10㎞以下)については「歩行者」と同視し得る余地があるとされています。
このページの著者
弁護士 滝井聡
神奈川県弁護士会所属
(登録番号32182)
