後遺障害14級の逸失利益
14級の逸失利益に年数制限
後遺障害14級は、交通事故の後遺障害として認定される中で最も低い等級です。
その後遺障害14級については、逸失利益が生じる年数を制限することが多く行われています。
なお、後遺障害14級は、認定数としては最も多く、等級認定全体の6割近くを占めています(2020年度は58.04%=損害保険料率算出機構のデータより)。
後遺障害14級の逸失利益の計算
後遺障害逸失利益を算定する一般的な計算式は次の通りです。
〔後遺障害逸失利益の一般的な計算式〕 |
基礎収入×労働能力喪失率 ×労働能力喪失期間の中間利息控除係数 |
このうち基礎収入については、14級が特別なわけではなく、「逸失利益の基礎収入」ページで解説しています。
後遺障害14級の逸失利益における労働能力喪失率と労働能力喪失期間は以下のとおりです。
後遺障害14級の労働能力喪失率
後遺障害14級の逸失利益において、労働能力喪失率は5%とされています。
この5%は目安として設定されたものですが、実際に労働能力喪失率5%として決着するケースが大多数です。
5%を超える主張も
ただし、被害者の職業等によっては、5%を超える労働能力喪失率を主張することはあり、訴訟で認められた例もあります。
このほか、労働能力喪失率の一般的なことについては、「逸失利益の労働能力喪失率」ページで解説しています。
労働能力喪失期間の一般的な原則は67歳までとされていますが、とくに14級で認定例の多い「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)において、年数が制限され5年とされる傾向が強いです。
期間5年より長い主張や短い主張も
ただし、被害者の職業等によっては、5年より長い年数を主張することはあり、訴訟で認められた例もあります。
他方、加害者側の保険会社は、5年よりも短い年数を主張してくることがあるので注意を要します。
このほか、労働能力喪失期間や中間利息控除の一般的なことについては、以下の各ページで解説しています。
後遺障害14級の逸失利益の計算例
例えば、基礎収入600万円、後遺障害14級で労働能力喪失率5%、労働能力喪失期間5年、その中間利息控除をライプニッツ係数4.5797として逸失利益を計算すると、以下のようになります。
600万円×5%
×5年のライプニッツ係数4.5797
=137万3910円
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このページの著者
弁護士 滝井聡
神奈川県弁護士会所属
(登録番号32182)