過失割合
センター南 横浜都筑法律事務所

過失割合

バイクと交差右折車の過失割合(一時停止規制)

横から車が右折してきて衝突

一時停止規制ある車は過失85%が基本


バイクが交差点を直進し、車が横の交差道路から右折してきて衝突した事故の過失割合は、一時停止規制が車にあった場合、バイク15%、車85%が基本とされています。

一時停止規制がバイクにあった場合は、車がバイクの右方で右折か左方で右折かで異なります。

これらの過失割合は、一時停止規制のある側が一時停止した場合に修正要素とされています。

車に一時停止規制なら基本15対85


直進バイクと、横の交差道路から右折してきた車との事故では、車に一時停止規制があった場合、基本過失割合はバイク15・車85とされています。

       
バイク  →    
   
   右折   バイク
 ↑
  停止線  
       

  バイク
走行態様 直進 右折
一時停止規制の有無
基本過失割合 15 85



車が徐行なし   -10  
車が右折禁止違反 -5  
〈バイクが右方の時〉
車が早回り右折 
-10  
車に他の
 著しい過失・重過失
-5
~10
 
車が一時停止   +10  
バイクが減速せず +5
~10
 
〈バイクが左方の時〉 
車が既右折   
+10  
バイクが15㎞以上の
    速度違反
+10  
バイクが30㎞以上の
    速度違反
+20  
バイクに他の
 著しい過失・重過失
+10  

バイクに一時停止規制なら方向で分類


バイクに一時停止規制があった場合、直進バイクと、横の交差道路から右折してきた車との事故の過失割合は、①バイクの右方で車が右折のときと、②バイクの左方で車が右折のときに分類されています。

①バイクの右方で車が右折:基本45対55

一時停止規制のある直進バイクの右方で車が右折のとき、基本過失割合は、バイク45車55とされています。

       
       
    右折
   
  バイク 停止線  
       

  バイク
走行態様 直進 右方で
右折
一時停止規制の有無
基本過失割合 45 55





*は修正要素としない
車が徐行なし   -10  
車が右折禁止違反 -10  
早回り右折  
車に他の
 著しい過失・重過失
-10  
バイクが一時停止 -15  
バイクが減速せず +10  
車が既右折    +10  
バイクが15㎞以上の
    速度違反
+10  
バイクが30㎞以上の
    速度違反
+20  
バイクに他の
 著しい過失・重過失
+10  

②バイクの左方で車が右折:基本55対45

一時停止規制のある直進バイクの左方で車が右折のとき、基本過失割合は、バイク55車45とされています。

       
     
右折    
       
 
  バイク 停止線  
       

  バイク
走行態様 直進 左方で
右折
一時停止規制の有無
基本過失割合 55 45





*は修正要素としない
車が徐行なし   -10  
車が右折禁止違反 -10  
車が早回り右折  -10  
車に他の
 著しい過失・重過失
-10  
バイクが一時停止 -10  
バイクが減速せず +10  
既右折  
バイクが15㎞以上の
    速度違反
+10  
バイクが30㎞以上の
    速度違反
+20  
バイクに他の
 著しい過失・重過失
+10  

バイクと交差右折車の修正要素


上記の認定基準における修正要素について補足します(上記の表で「*」は修正要素としません)。

徐行なし

徐行とは、車両が直ちに停止することができるような速度で進行することです(道路交通法2条1項20号)。右左折車については、右左折車としての通常の速度を意味し、必ずしも法律上要求される徐行(同法34条1項・2項・2条1項20号)でなくてもよいとされています。

右折禁止違反

道路標識等により禁止されている右折をすることです。

早回り右折

交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を進行しない右折をいいます(道路交通法34条2項)。

一時停止

一時停止規制のある側が一時停止をしたけれど、左右の安全確認が不十分だった場合とされています。

既右折

直進車が交差点に進入する時点で、右折車が右折を完了していること又はそれに近い状態にあることをいいます。


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このページの著者

 弁護士 滝井聡
  神奈川県弁護士会所属
    (登録番号32182)