高速道路・車線変更の過失割合(車同士)
直進車の速度違反などで修正
高速道路の車同士
高速道路上の車(四輪車)同士で、車線変更車と、その変更先の車線を後方から直進してきた車の事故について、過失割合の認定基準をご案内します。
車線変更車の過失が基本としては重く、ただし、直進車の速度違反などあれば修正されることになります。
走行車線から追越車線へ車線変更
← | 車A | 〈追越車線〉 | ||
車線変更 | ||||
車B | ||||
〈走行車線〉 | ||||
A |
B |
||
走行態様 |
直進 | 車線 変更 |
|
基本過失割合 | 20 | 80 | |
修 正 要 素 |
Bが合図なし 又は合図遅れ |
-10 | |
Aが初心者マーク等 | -10 | ||
進路変更禁止区間 | -10 | ||
Bに他の著しい過失 ・重過失 |
-10 | ||
Aが速度違反 | +10 ~20 |
||
分岐点・出入口付近 | +10 | ||
Aがゼブラゾーン走行 | +20 | ||
Aに他の著しい過失 ・重過失 |
+10 ~20 |
追越車線から走行車線へ車線変更
〈追越車線〉 | ||||
車B | ||||
車線変更 | ||||
← | 車A | 〈走行車線〉 | ||
A |
B |
||
走行態様 |
直進 | 車線変更 | |
基本過失割合 | 30 | 70 | |
修 正 要 素 |
Bが合図なし 又は合図遅れ |
-10 | |
Aが初心者マーク等 | -10 | ||
進路変更禁止区間 | -10 | ||
Bが他の著しい過失 ・重過失 |
-10 ~20 |
||
Aが速度違反 | +10 ~20 |
||
分岐点・出入口付近 | +10 | ||
Aがゼブラゾーン走行 | +20 | ||
Aに他の著しい過失 ・重過失 |
+10 ~20 |
走行車線から走行車線へ車線変更
(片側3車線以上の場合)
〈追越車線〉 | ||||
← | 車A | 〈走行車線〉 | ||
車線変更 | ||||
車B | ||||
〈走行車線〉 | ||||
A |
B |
||
走行態様 |
直進 | 車線変更 | |
基本過失割合 | 30 | 70 | |
修 正 要 素 |
Bが合図なし 又は合図遅れ |
-10 | |
Aが初心者マーク等 | -10 | ||
進路変更禁止区間 | -10 | ||
Bに他の著しい過失 ・重過失 |
-10 ~20 |
||
Aが速度違反 | +10 ~20 |
||
分岐点・出入口付近 | +10 | ||
Aがゼブラゾーン走行 | +20 | ||
Aに他の著しい過失 ・重過失 |
+10 ~20 |
速度違反と著しい過失・重過失
高速道路上における過失割合の修正要素のうち、速度違反と著しい過失・重過失についてご説明します。
速度違反
原則として、以下を目安として、この範囲で修正を加えることとされています。
- 時速20㎞以上40㎞未満の速度違反=10%加算
- 時速40㎞以上の速度違反=20%加算
著しい過失
著しい過失の例として、以下のことなどが挙げられています(事故と相当因果関係がある場合に考慮されます)。
- 酒気帯び運転(血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム以上又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上にアルコールを保有する状態)
- 脇見運転等著しい前方不注視
- 著しいハンドル・ブレーキ操作不適切
- 携帯電話等の無線通話装置を通話のため使用したり、画像を注視したりしながら運転
重過失
重過失の例として、以下のことなどが挙げられています(事故と相当因果関係がある場合に考慮されます)。
- 酒酔い運転(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)
- 居眠り運転
- 無免許運転
- 過労、病気及び薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある場合
- バイクのヘルメット不着用
このページの著者
弁護士 滝井聡
神奈川県弁護士会所属
(登録番号32182)