後遺障害
センター南 横浜都筑法律事務所

後遺障害

後遺障害の認定理由

胸椎・腰椎圧迫骨折などの例

画像などから判断


交通事故の後遺障害について、等級や非該当の認定理由は、画像から判断していることが多く、診断書などからの判断や、事案に応じた特徴的な事情が記載されていることもあります。

後遺障害の申請をして認定が出たら、その理由について妥当かどうか検討する必要があります。

胸椎・腰椎の圧迫骨折や、足・腕・肩の骨折などの例を参考としてご紹介します。
(実際は一連の文章ですが、要点を箇条書きにしています)

胸椎圧迫骨折・腰椎圧迫骨折


胸椎圧迫骨折⇒11級(脊柱変形)


〔認定理由〕
脊柱の変形障害については、
画像胸椎圧迫骨折が認められることから、
認定=「脊柱に変形を残すもの」として11級7号。


胸椎圧迫骨折・腰椎圧迫骨折⇒8級相当(脊柱に中程度の変形)


〔認定理由〕
脊柱の変形障害については、
画像=胸椎、腰椎圧迫骨折が認められ、1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じているものと認められることから、
認定=「脊柱に中程度の変形を残すもの」として8級相当。

→関連ページ
 脊柱・体幹骨の後遺障害
 (胸椎圧迫骨折・腰椎圧迫骨折など)

足の骨折・靭帯損傷

(部位が右か左かは省略します)


足関節脱臼骨折⇒14級(神経症状)


〔認定理由〕
画像=骨折部の骨癒合は良好であり関節面の不整も認められないことから、
認定=他覚的に神経系統の障害が証明されるものとは捉えられませんが、骨折の状態、症状経過、治療経過等を勘案すると、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号。


大腿骨骨幹部骨折⇒13級相当(下肢延長)


〔認定理由〕
下肢長差については、
画像=骨折部における延長が認められ、健側と比較して1センチメートル以上の延長が生じたものと捉えられることから、
認定=13級相当。


足関節脱臼骨折⇒12級(頑固な神経症状)


画像=足関節脱臼骨折後の不整癒合が認められ、
認定=他覚的に神経系統の障害が証明されるものと認められることから、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級13号。


足関節内側靭帯損傷⇒12級(可動域制限)


〔認定理由〕
後遺障害診断書等可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されていることから、
認定=「1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」として12級7号。


腓骨開放骨折⇒12級(長管骨変形)


〔認定理由〕
画像=骨癒合不全とは捉えられませんが、15度以上屈曲して不正癒合しているものと認められることから、
認定=「長管骨に変形を残すもの」として12級8号。

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腕・肩の骨折・脱臼など

(部位が右か左かは省略します)


肩の挫傷⇒非該当


〔認定理由〕
画像=骨折・脱臼等の外傷性の異常所見等は認められず、
後遺障害診断書等=自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことに加え、
認定治療状況等も勘案した結果、後遺障害には該当しないものと判断。


肘の打撲⇒14級(神経症状)


〔認定理由〕
画像=骨折等の器質的損傷は認め難く、
後遺障害診断書等=症状を他覚的に裏付ける医学的所見に乏しいことから、
認定=他覚的に神経系統の障害が証明されるものとは捉えられませんが、治療状況等を勘案すれば、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号。


鎖骨骨折⇒12級(鎖骨の著しい変形)


〔認定理由〕
鎖骨の変形障害については、
画像裸体となったとき、変形が明らかにわかる程度のものと捉えられることから、
認定=「鎖骨に著しい変形を残すもの」として12級5号。


肩鎖関節脱臼⇒併合11級(鎖骨の著しい変形・可動域制限)


〔認定理由〕
1.鎖骨の変形障害については、
画像裸体となったとき、変形が明らかにわかる程度のものと捉えられることから、
認定=「鎖骨に著しい変形を残すもの」として12級5号。
2.肩関節の機能障害については、
後遺障害診断書等可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されていることから、
認定=「1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」として12級6号。
1.および2.の障害を併合=併合11級。


上腕骨近位端粉砕骨折⇒10級(可動域制限)


〔認定理由〕
後遺障害診断書等可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されていることから、
認定=「1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの」として10級10号。

頚椎捻挫・腰椎捻挫


頚椎捻挫⇒非該当


〔認定理由〕
画像=骨折・脱臼等の外傷性の異常所見、脊髄や神経根への明らかな圧迫所見等はいずれも認められず、
後遺障害診断書等=自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことに加え、
認定=その他治療状況等も勘案した結果、後遺障害には該当しないものと判断。


頚椎捻挫⇒14級(神経症状)


〔認定理由〕
画像=骨折や脱臼等の外傷性の異常所見、脊髄や神経根への明らかな圧迫所見等はいずれも認められず、
後遺障害診断書等=自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいものの、
認定=その他治療状況等を勘案すれば、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号。


腰椎捻挫⇒14級(神経症状)


〔認定理由〕
画像=骨折等の明らかな外傷性変化は認め難く、
後遺障害診断書等=症状の裏付けとなる客観的な医学的所見には乏しいことから、
認定=他覚的に神経系統の障害が証明されるものと捉えることは困難ですが、治療状況なども勘案すれば、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号。


頚椎捻挫⇒12級(頑固な神経症状)


〔認定理由〕
画像脊髄の圧迫所見が認められ、
後遺障害診断書等神経学的にも左上肢の腱反射低下等の異常所見が認められることから、
認定=他覚的に神経系統の障害が証明されるものと捉え、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級13号。

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醜状障害


顔の瘢痕⇒12級(外貌醜状)


〔認定理由〕
面接調査結果人目につく10円銅貨大以上の瘢痕と捉えられることから、
認定=「外貌に醜状を残すもの」として12級14号。


足の瘢痕⇒12級相当(下肢の著しい醜状)


〔認定理由〕
面接調査結果てのひらの大きさの3倍程度以上の瘢痕を残しているものと認められることから、
認定=12級相当。

→関連ページ
 外貌醜状の後遺障害



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このページの筆者

 弁護士 滝井聡
  神奈川県弁護士会所属
    (登録番号32182)