むちうち
センター南 横浜都筑法律事務所

むちうち

むちうちの後遺障害

神経学的テストやMRIが資料に

しびれ等の症状・頚椎捻挫等の診断


むちうちは、手のしびれ、頭痛、首の痛みなど様々な症状が出て、後遺症として残ることがあります。

首がむち打つように振られる受傷のため「むちうち」といわれますが、それは俗称で、頚椎捻挫や外傷性頚部症候群など様々な診断名が医師から付けられます。

後遺障害については、神経学的テストやMRIが医学的資料になります。

等級は、自賠法施行令の別表第2規定のうち、症状の残存が医学的に証明できれば12級、医学的に説明可能なら14級で、それらが認められず非該当とされることもありえます。

むちうちの症状・診断名

むちうちは、首がむち打つように振られて、頚部の筋繊維が過度に伸長または部分断裂させられたり、末梢神経が脊髄から分岐する神経根が刺激・圧迫等されたり、交感神経に異常を生じさせられたりするなどの病態とされています。

それにより、手のしびれ・脱力感、頭痛・頭重感、首の痛み・圧迫感・緊張感・運動制限、肩こり、めまいなど、様々な症状が出ます。

医師による診断名は、「頚椎捻挫」「外傷性頚部症候群」「外傷性頭頚部症候群」「頚部挫傷」「バレー・リュー症候群」など様々です。
(「むちうち」という言葉は医学的な傷病名ではありません)

神経学的テストとMRI

むちうちの後遺症について後遺障害認定をするうえでの医学的資料として、神経学的テスト(検査)とMRIがあります。


神経学的テスト


神経学的テスト(検査)は、反射テスト(深部腱反射・表在反射・病的反射)、神経根症状誘発テスト(スパークリングテスト・ジャクソンテスト)、徒手筋力テスト、握力テスト、筋萎縮テストなどがあります。

反射テスト

身体の反射にはいろいろな種類がありますが、診断のうえで、深部腱反射、表在反射、病的反射の各テストが重要とされています。

  • 深部腱反射…腱の打診によって生じる不随意筋収縮で、中枢神経系の障害によって亢進し、抹消神経障害によって減弱、消失します。
  • 表在反射…皮膚の刺激によって生じる不随意筋収縮で、中枢神経系の障害によって低下、消失します。
  • 病的反射…健常者には出現しない反射で、中枢神経系の障害によって出現します。

神経根症状誘発テスト

神経根の支配領域に疼痛やしびれ感を誘発するテストです。

  • スパーリングテスト…頭部を患側に傾斜・後屈し、圧迫して軸圧を加えるテストで、神経根に障害がある場合、その支配領域に疼痛、しびれ感が放散します。
  • ジャクソンテスト…頭部を後屈し、圧迫して軸圧を加えるテストで、神経根に障害がある場合、その支配領域に疼痛、しびれ感が放散します(頭部を痛みやしびれがない側に倒して肩を押し下げるテストをジャクソンテストと呼ぶこともあります)。

徒手筋力テスト

筋力が低下しているかどうかを調べるテストです。

握力テスト

左右の握力差を測定するテストです。

筋萎縮テスト

左右の上腕部・前腕部の周径を比較して筋萎縮がないか調べるテストです。

関節可動域検査

頚椎については、屈曲(前屈)・伸展(後屈)・回旋・側屈の可動域が対象となります。

電気生理学的検査

  • 筋電図検査…筋肉に電気針を刺して症状の原因を調べる検査です。
  • 神経伝達速度検査…末梢神経を電気的に刺激して状態を調べる検査です。

MRI


MRIMagnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像)とは、磁気と高周波電波による画像撮影方法で、脊髄、椎間板、神経根などの軟部組織の描出に有効とされています。

むちうちの検査に有用との指摘があり、異論や医学的に未解明な点もありますが、むちうちになったらMRIの撮影をおすすめしています。

脊髄や神経根への圧迫などが認められるかが重要で、ただし有用な画像は得られないこともあります。

むちうちの後遺障害等級

むちうちの後遺障害等級(自賠法施行令の別表第2)と、その認定は以下のとおりです。

12級13号 局部に頑固な神経症状を残す
14級9号 局部に神経症状を残す
非該当 いずれにも該当しない場合

後遺障害12級について


むちうちの後遺症として残った症状が後遺障害12級に該当するためには、MRIや神経学的テスト(検査)による他覚的所見から、その交通事故を原因として脊髄や神経根が圧迫されていることなど、症状の残存が医学的に証明できることが必要とされています。

むちうちによる疼痛については、通常の労務に服することはできるけれど、ときには強度の疼痛のため、ある程度差し支えがあると認められる場合に、12級13号の「局部に頑固な神経症状を残す」と認定されます。

後遺障害14級について


むちうちの後遺症として残った症状が後遺障害14級に該当するためには、症状の一貫性や治療経過、神経学的テスト(検査)などから、その交通事故での受傷による症状の残存が医学的に説明可能であることが必要とされています。

12級は「証明」できることが必要ですが、14級はそれより程度が低く、「説明」可能かどうかが問われるということになります。

むちうちによる疼痛については、通常の労務に服することはできるけれど、受傷部位にほとんど常時疼痛を残すと認められる場合に、14級9号の「局部に神経症状を残す」と認定されます。

〔関連ページ〕 後遺障害の認定理由
       (頚椎捻挫などの例)

むちうちの後遺障害慰謝料

むちうちの後遺障害慰謝料(弁護士基準)は、等級によって以下のように異なります。
 12級=290万円
 14級=110万円

後遺障害逸失利益も、12級に比べ14級は低額になり、この点については以下のページをご覧いただければと思います。
  後遺障害逸失利益      

むちうちは保険会社の打ち切りが早い


むちうちの治療については、被害者にとっては思いのほか早い段階で、加害者側の保険会社から治療費支払いの打ち切りを通告してくることがあります。

このため、むちうちになられたら、なるべく早い段階で弁護士に相談し、代理人として依頼なさることをおすすめします。

なお、治療費の打ち切りについては、以下のページでご説明しています。
   治療費の打ち切りについて  



このページの著者弁護士滝井聡の顔写真
このページの著者

 弁護士 滝井聡
  神奈川県弁護士会所属
    (登録番号32182)